献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
ホテルまで来ておいて、そんな矛盾にじりじりと胸が焼き付く。
唇を繋げながら、彼は私をゆっくりと倒した。
大きな枕に沈む私の頭を撫で、繊細に前髪を指で分ける。
「愛莉……怖がらないで」
一瞬だけ戸惑った顔をしたのがバレたのか、清澄くんは優しくつぶやいた。
ドキドキは鳴り止まないのに、ふわふわと浮かび上がりそうな安心感もある。
「うん……」
「かわいい。こっち見て」
清澄くん、すごい……。
声のかけ方も、触れ方も、女の子の扱いがすごく上手だ。
触って欲しい場所も、触って欲しくない場所も、言われたい言葉も、全部知られているような感じがする。