献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「清澄くん……」
彼がTLヒーローに徹してくれているのだとわかると、途端に自分もヒロインみたいに甘えたくなった。
こんな気持ちになるのは初めてだ。
どうしたら相手が満足するかばかりを考えてしまうのが癖で、甘えるなんて発想は今までなかったのに。
「触っていい?」
言葉だけで胸がいっぱいになる。
恥ずかしくてうなずけなくて、どうしたらいいかわからず彼の瞳を見つめた。
清澄くんは全部わかっていると言うように、「リラックスして」と甘く囁く。
「……あっ……清澄、く……」
どうしよう、気持ちいい。
「素直だな、愛莉」
彼の言う通り、たぶん、全部顔に出ている。
だってこんな触れられ方は初めてなのだ。
私を気持ちよくさせるための、尽くすだけの触れ方。
ゆっくりと進む愛撫には、恐怖もない。