献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「ここまでって? まだ私のマッサージしかしてないよ」
「少しずつしたいって言っただろ。かわいかったよ、愛莉」
彼は最後にキスをしてから上体を起こして離れ、私に微笑んだ。
なんだか違和感だ。
本当に、これで終わり……?
「清澄くん……最後までしても大丈夫だよ」
TLみたいに焦らしてほしいって言ってたけど、漫画だってこんな展開にはならないだろう。
結ばれて、最後までエッチをするはず。
そもそも清澄くんに焦らしてって言われたのに、これでは焦らされているのは私の方だ。
「ありがとう。今度ね」
彼は本当に、焦らしているだけなのだろうか。
私の魅力が足りずに先に進む気にならない……だけだったりしないかな。
清澄くんの考えていることが余計にわからない。
悶々と考えながら、洋服を着直した。
あとは荷物を纏めて帰るだけとなる。