献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
学生時代はいつも学年で一二を争う人気者の男と付き合って、姉妹でそいつらをけちょんけちょんに貶し合う悪口大会を開催している。
『聞いてよ凜花。先輩のエッチ超ウケるの。〝ほら麗奈、見せてごらん〟って感じの言葉責め。自分に酔っちゃってる』
『やだぁ、キモい。麗奈ちゃん喜んだフリしてあげてるの?』
『うん。〝だ、だめぇ、恥ずかしいからやめてよぉ〟って。満足げだよ、あははは!』
『きゃははは! えらーい!』
出張の多い両親が家にいない日には、リビングでそんな会話を繰り広げている。
なにが悪いんだ。
男が必死になるのがそんなに面白いか。
『私の彼氏もね、誕生日に勝手にブランドバッグ買っててさ。すごく趣味悪いの』
『あーわかる。バッグは選ばせろっつーの。ブランド物買えばなんでも喜ぶと思ってる男だ』
『そう。誕生日がそれだとテンション下がるよねぇ。だいたい、学生がブランド物って、いかにも貢がれてますって感じでイメージ下がるじゃない? ブランド物くれるなら消耗品がいいなぁ。マッサージクリームとか、フェイスパックとか。自分じゃ高いお金出してまで買わないものをなんでもない日にくれるといいよね』
『そうそう、そういうのラッキーってなるよね。いらなきゃ捨てられるし』
なんてワガママなんだ……。
正気か?
人から贈られたものにどうしてここまでケチをつけられるんだ。
なんでもない日にプレゼントを貰いたがるのも図々しい。
しかしこの会話を毎日聞かされているおかげで、俺は女性の中の正解と不正解がはっきりとわかるようになった。