献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~

TLコミックを読み漁った俺は、やがてエロさよりも胸がギュッとなるトキメキがオカズになっていた。
ときめかないとイけない。
これはヤバいと感じている。

最近ハマっている『ピュア♡ラブ』はもう言葉にできないほど素晴らしく、ヒロインの佳恋の健気さや優しさ、そして不器用で失敗してしまうところはもう愛しくてしかたがない。
彼女は心の奥底まで、本当に姉達とは違っている。
二次元だから理想を裏切ることもない。

だが俺は決して、佳恋というキャラクターに恋をしているわけではない。
佳恋は颯斗と幸せになってほしい。
俺は完全に佳恋×颯斗のカップル推しだから、ふたりのエッチを見せてもらって悶えているただの傍観者に過ぎないのだ。

それが少し、虚しくもあった。

胸の高鳴りがないと満足できない体になってしまったのに、現実の女性ではそれを感じることはもうできない。
現実の女性に優しくされても、どうせ腹の中では俺を批評し、点数をつけて、彼女になればワガママ放題に豹変するんだろう、そんな憶測が先にきて、素直な恋愛はできなくなっていた。
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