献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~

「俺はまだ一緒にいたい」






出発まで、清澄くんに唯一お願いされたお洒落をした。
パックでお肌をぷるぷるにし、唇の保湿も完璧に仕上げる。
袖がレースになっている薄桃色のワンピースと、編み上げのショートブーツを合わせた。
男性にとってデートというのはきっとエッチの前フリだろうから、洋服の下には大人かわいいランジェリーを身に付けている。

こんなにデートが楽しみなのは初めてかもしれない。
浮かれているってこういうことかな。

デートの前日はいつも、幻滅されたくない気持ちや、なにか失敗して迷惑をかけてしまったらどうしようという気持ちでいっぱいになるのに、清澄くんにはそれを感じない。

私のことがつまらなくてもきっと退屈そうになんてしないし、受け止めてくれるという安心感がある。
本当はどう思っているのか気になるけど、でも、彼は私を傷つけることはしないと、もうわかった。

清澄くんはすごいな。
彼の恋人になる人はとても幸せなんだろうな。

そんなことを考えると少しだけ、切ない気持ちになった。
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