献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~


タクシーで三十分移動すると、清澄くんのマンションに到着した。
最寄り駅から徒歩二分ほどの立地で、五階建ての新築マンションだ。

「お邪魔します……」

「どうぞ」

部屋の中も綺麗で息を飲んだ。
十分な広さの1LDKで、リビングの家具はモノクロで統一されていた。
大きなテレビとテーブルを挟んだ対面に革のふたり掛けのソファが置かれ、シックで落ち着く空間となっている。

同じ郊外でも、私はもっとごちゃごちゃした住宅地の中にある1DKのアパートで、それでも家賃は七万円もしている。
家具は学生時代のものを寄せ集めた感じで揃えたし、同い年なのに生活水準がだいぶ違っていて恥ずかしくなった。
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