ふれる、甘い、くちなおし。
きっと、私なんかより……っ。





「────泣かないで。」




優しく目に溜まった雫石を拭う天音くん。






「………桃。こっち見て。」





優しい口調に視線をまた、天音くんの瞳に戻した。





壊れ物を見るような、優しくて、暖かい瞳。





あぁ、私、この瞳が大好きだ。





天音くんはそのまま、私に甘くて、優しくって、とろけるようなキスをした。






生温い天音くんの体温をこれでもかというほどに感じる。





「………あ、まね………く、ん……っ」





はぁはぁと吐息が漏れる度に、天音くんは“桃”と私の名前を呼ぶ。





心地よい何かに体は火照っていた。







そして。






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