rainy days



ジリリリリリリリリリリーー
目覚まし時計で目覚める朝

昨日の予報では今日も雨のはず
梅雨入りしたって言っていたもんな

まだボーッとする頭で考えながら目覚まし時計を止めて時間を見る。6時33分

「学校‥行きたくないな‥。」

カーテンの隙間から見えた景色は雨が降っているからなのか、朝なのに外は灰色。相変わらずの天気だった

はぁ‥。

重い腰をあげてベッドから降りると目に入る制服とカバン。
まだ新しいその制服に腕を通しながらまた外を見る。

やっぱり天気が良くなることはないみたい。

止みそうにないそんな天気を見ながら開けようとしていたカーテンからそっと手を離した


________________


部屋を出てリビングへ行くと私が昔あげた花柄のエプロンを着たおばあちゃんがいた


「あ、おはよう七海。お弁当、机の上に置いてあるからねぇ」


赤い三角屋根にクリーム色の壁
メルヘンチックなこの家にはおばあちゃんとおじいちゃん、愛犬のまめきち、そして私が住んでいる

私の両親は‥‥いない。


"相澤七海"
赤いチェックのランチバックには高校生にもなってフルネームで刺繍してある。おばあちゃんお手製だ

「おばあちゃんいつもありがとう。今日は学校行事があるから帰り遅くなるよ」

ランチバックをカバンにしまいながらそう言うと、おばあちゃんは、はいよ。と目元にシワを作りながら笑った

身支度を整えながら時折テレビから聞こえる音は天気に関する事と世の中の悪いニュースばかりで嫌になる



6月上旬
梅雨入りのせいで今日もずっと雨




< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop