大人の初恋
集合の20分前。
美紅の車でファミレスまで一緒に行くこととなった。
車のエンジンがかかる。
明日は日曜日だし、仕事が休みなので、美紅はご飯を食べた後私の家に泊まる事になった。
車が動き出す。
ふとジュースホルダーに目をやる。灰皿がおいてあった。
美紅はタバコは吸わないので彼氏用で置いていることが1目で分かる。
灰皿が羨ましいわけではないが、車という密室の中で、彼氏の場所があるのは少しだけ羨ましかった。
途中で美紅の家に寄り、着替えや歯ブラシなどを取りに家に寄る。
「すぐ来るから待ってて」と言われたので車の中でスマホをいじりながら待つ。
「お待たせ」
美紅が戻ってきた。
「その曲いっも歌ってるよね」
と言われ、また『きらきら星変奏曲』を鼻歌していたことに気が付く。
「うん。何でか分かんないんだけどつい歌ってるみたい。」
「でも普通のきらきら星と違うよね?」
「多分『きらきら星変奏曲』だと思う。子供の頃ピアノで弾いてたから」
雑談をしながらファミレスへと向かう。
ファミレスに到着する。直美はまだ来てないようだ。
店内に入ると店員に
「何名様ですか?」
と聞かれたので
「3人です。もう1人はもう少しで来ます」
と言い、先に席に着く。
何故だか分からないがソワソワする。ほとんど話した事が無い人と食事をするからだろうか?
美紅のスマホが鳴る。
「今もう中に居るよ!奧の角の席にいる」
美紅が店内を見渡す。手を上げ、こっち、と合図をする。
直美が来た。
奧の席に私と美紅が並んで座り、手前の席に直美が座る。
「お疲れ。待った?」
「私達も今来た所」
など挨拶をかわす。
「結奈ちゃんだよね?私直美。同期入社なんだけど分かる?」
勿論知っている。が直美にとっては書類の件は無かったことになっているんだろうか?
それとも何かの間違いであったのだろうか?
それくらい自然に会話が始まった。違和感はあったが
「同期だもん。勿論知ってるよ」
と答える。
「良かった。知らないって言われたらどうしようかと思っちゃった。」
と冗談混じりに話してくる。
あまりにも普通だったので、書類の事は何かの間違いだった。と思うことにした。
そんな話をしながらも、お腹が空いたので注文をする。
直美はパスタ。
美紅はハンバーグ。
私は……タッチパネルでオムライスのボタンを押す。
「本当好きだね。お昼もオムライスじゃなかった?」
「そーいえば。それくらい大好きなの!小さい頃お母さんがよく作ってくれてて。そのうち大好きになってた。」
「お母さんの味。いーなー」
直美がボソッと呟く。
先程までとは別人のようなテンションで呟いたので、視線を直美に向ける。
「私お母さん居ないんだよね。正確に言うと小学生に上がる前に離婚して、お父さんに育てられたから。」
「そうなんだ」
何で離婚したの?
何でお母さんではなくお父さんに引き取られたの?
など一瞬頭の中をよぎったが、失礼なので質問はしなかった。
少し空気が重たく感じた時、美紅が
「私喉渇いちゃった。ドリンクバー注文しても良い?2人も頼まない?」
流石は美紅だ。
重い空気が一気に明るくなった。
美紅の車でファミレスまで一緒に行くこととなった。
車のエンジンがかかる。
明日は日曜日だし、仕事が休みなので、美紅はご飯を食べた後私の家に泊まる事になった。
車が動き出す。
ふとジュースホルダーに目をやる。灰皿がおいてあった。
美紅はタバコは吸わないので彼氏用で置いていることが1目で分かる。
灰皿が羨ましいわけではないが、車という密室の中で、彼氏の場所があるのは少しだけ羨ましかった。
途中で美紅の家に寄り、着替えや歯ブラシなどを取りに家に寄る。
「すぐ来るから待ってて」と言われたので車の中でスマホをいじりながら待つ。
「お待たせ」
美紅が戻ってきた。
「その曲いっも歌ってるよね」
と言われ、また『きらきら星変奏曲』を鼻歌していたことに気が付く。
「うん。何でか分かんないんだけどつい歌ってるみたい。」
「でも普通のきらきら星と違うよね?」
「多分『きらきら星変奏曲』だと思う。子供の頃ピアノで弾いてたから」
雑談をしながらファミレスへと向かう。
ファミレスに到着する。直美はまだ来てないようだ。
店内に入ると店員に
「何名様ですか?」
と聞かれたので
「3人です。もう1人はもう少しで来ます」
と言い、先に席に着く。
何故だか分からないがソワソワする。ほとんど話した事が無い人と食事をするからだろうか?
美紅のスマホが鳴る。
「今もう中に居るよ!奧の角の席にいる」
美紅が店内を見渡す。手を上げ、こっち、と合図をする。
直美が来た。
奧の席に私と美紅が並んで座り、手前の席に直美が座る。
「お疲れ。待った?」
「私達も今来た所」
など挨拶をかわす。
「結奈ちゃんだよね?私直美。同期入社なんだけど分かる?」
勿論知っている。が直美にとっては書類の件は無かったことになっているんだろうか?
それとも何かの間違いであったのだろうか?
それくらい自然に会話が始まった。違和感はあったが
「同期だもん。勿論知ってるよ」
と答える。
「良かった。知らないって言われたらどうしようかと思っちゃった。」
と冗談混じりに話してくる。
あまりにも普通だったので、書類の事は何かの間違いだった。と思うことにした。
そんな話をしながらも、お腹が空いたので注文をする。
直美はパスタ。
美紅はハンバーグ。
私は……タッチパネルでオムライスのボタンを押す。
「本当好きだね。お昼もオムライスじゃなかった?」
「そーいえば。それくらい大好きなの!小さい頃お母さんがよく作ってくれてて。そのうち大好きになってた。」
「お母さんの味。いーなー」
直美がボソッと呟く。
先程までとは別人のようなテンションで呟いたので、視線を直美に向ける。
「私お母さん居ないんだよね。正確に言うと小学生に上がる前に離婚して、お父さんに育てられたから。」
「そうなんだ」
何で離婚したの?
何でお母さんではなくお父さんに引き取られたの?
など一瞬頭の中をよぎったが、失礼なので質問はしなかった。
少し空気が重たく感じた時、美紅が
「私喉渇いちゃった。ドリンクバー注文しても良い?2人も頼まない?」
流石は美紅だ。
重い空気が一気に明るくなった。