切れない縁2 青木バージョン
3年目の春***

隆二が教育係の新入社員が配属された。

ゴールデンウィークはやっぱりオレんちに滞在してサーフィンをしてる隆二。

「なぁ隆二。教育係はどう?やっぱり大変?」

「う〜ん。俺の担当する平田は真面目なヤツで仕事も頑張ろうってのが伝わるから、俺の方がヤル気になるんだわ。」

「南関東営業所の新入社員は平田くんだけ?」

「いや、営業事務で短大卒の女の子も1人入った。本社は?」

「今年は、営業部には2名だけだった。
あとはわかんないや。ハハ」

「本社は、慰安旅行とかある?」

「各部署ごとで行くけど…何?なんかあるの?」

「え?…うん。……あのさ、ちょっと気ななってる子がいるんだわ〜」

「え?どんな子だよ。」

「さっき話した短大卒の新入社員なんだけどさ〜、
平田もその谷口さんも同じ課だから、全体の飲み会とか同じ課の人たちの食事なんかでいつも一緒でさ〜
谷口さんは女子寮だから俺んちの一つ前の駅で降りるから、いつも同じ電車でさ〜よく話しもするようになったんだ。」

「で? その谷口さんのどんなところが好きなんだ?」

「まだ発注伝票を打つのにもノート見ながらだけど一生懸命頑張ってるところや、
素直な優しい子で札幌出身なんだ。
お父さんもお兄さんも札幌で地銀に勤務してるらしい。」

「え、そんなお互いの家族の事も話してるのか?」

「うん。なんかさ〜谷口さんだと安心して話せるっての?
不思議と自然に自分の事も話しできてさ〜
サーフィンしてる事や、ハワイへ毎年お前と行ってる事も話せるんだよなぁ」

「素直に話しを聞いてくれるって大事な事だと思うぞ〜」
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