切れない縁2 青木バージョン
「あ、この前実家に顔出したついでに、山下さんちに寄ったらさ、山下さん大腸がんの手術したんだってさ。」
「大丈夫なの?」
「うん。早期発見だったから大丈夫みたいだわ」
「良かった…」
「なぁ、話しは変わるけど、村瀬とは大丈夫か?」
「うん。俺にも所長代理に仕事以外話し掛けてこないよ」
「あのさ、先月のお前の電話で気になったんだけど、あの当時の村瀬の腹の子はどうなったんだ?
やっぱり堕したんだよなぁ……」
「伸一にはやっぱり嘘はつけないな。
俺が、人工中絶に付き添ったし、書類にサインしたのも俺なんだよ」
「え? 何でお前が…」
「う〜ん。俺もわかんない。どうしてそこまでしたのか…今でもわからない。」
「……隆二。絶対に美波ちゃんと健一郎を大切にしろよ!」
「ああ。もちろんだよ」
食事を終え、俺は最終の新幹線に乗る為、駅に向かった。
隆二の様子を見てホッとした俺。