切れない縁2 青木バージョン

しかし、
その2ヶ月後、会議があった俺と隆二が待ち合わせたレストラン。
そこへ隆二と一緒に村瀬も現れた。


「オイ、隆二。どういう事か説明しろ!」

「うん。今日は病院の帰りなんだ。」

「病院?」

「ご無沙汰してます。青木くん。
実は井上くんの薦めで、心療内科に通う事になって、今日は井上くんに付き添ってもらったの」

「ふ〜ん。 村瀬 よく聞け。
プライベートな事で隆二を振り回すな!
お前は昔、彼氏だった隆二を傷ついた。
今度は、隆二の家族を傷つけるつもりか!

そして隆二、お前のこと見損なったわ。
俺は帰る!」

俺はレストランを出た。

隆二が追いかけてきた。
「伸一、違うんだ!話しを聞いてくれ。
村瀬は心の病いなんだよ。」

「そうですか。
赤の他人に親切にしてるつもりだろうが、
お前が村瀬に付き添って病院へ行く事自体、美波ちゃんを裏切ってるんだぞ!」

「俺は違う!」

「何が違うんだよ。村瀬の病院に付き添ってる事を美波ちゃんは了承してるのか?何も言ってないだろ? 
俺が今、美波ちゃんに電話しようか?」

「村瀬は病気なんだよ。」

「自分のしている事が、
家族を裏切っているのもわからないお前を見損なったし軽蔑する。」

「……伸一」

「そのうち、お前と村瀬の不倫のウワサが流れるんじゃあないのか?」

「……」

「じゃあな!」
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