❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
なんで、かすみなのか。

俺は神を呪った。
忙しい男だ、祈ったり、呪ったり、神もたまったもんじゃないな。
拓真はふっと笑った。
今まで、自分の人生を振り返って、反省することは沢山ある。
こんな気持ちになるのも、かすみの死と向き合ってからだ。
そのためなら、俺の命を消せよ、なんで、かすみなんだ。
俺ははじめて涙を流した。

かすみ島にきて、一ヶ月が過ぎた。

その間、大館が必要なものを運んでくれた。

かすみの健康状態を見るため、担当医村上もかすみの様子を見に来てくれた。

「春日部さん、東京に戻って、入院をお勧めします」

拓真はどうするか迷っていた。

このまま、ここでかすみと共に暮らすか、病院のベッドの中で死を待つか。

その時、かすみが俺の元にやってきた。

「拓真さん、先生は何か言ってましたか」

「なあ、かすみ、出来れば、入院した方がいいって言われたんだが……」

「拓真さんとここにいたいです、私は大丈夫ですから」

「俺だってかすみと一緒にここにいたいよ」

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