❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
今日から拓真はいない。

明日の夜帰宅予定だが、その間も正直、心細かった。

食事はツトムが用意してくれた。

しかし、食欲はあまりない。

そんな矢先、かすみ島に台風が接近していた。

「ツトムくん、台風がこっちに向かってるって」

「台風ですか、やばい、俺、風で飛びそうなもの片付けてきます」

かすみは嫌な予感が脳裏を掠めた。

もしかして、ヘリ飛べないかも……

台風が通り過ぎないと、拓真さん帰ってこれないんじゃないかな。

台風は進むスピードが遅く、停滞していた。

「今晩通り過ぎればいいんですけど」

かすみの予感は的中した。

その頃東京では、ヘリが飛ばないと大混乱だった。

「社長、今日はヘリは無理です、それより、台風が過ぎ去るまで、一週間は不可能かと」

拓真はツトムに連絡を入れた。

「組長、こっちは変わりありません、台風の備えも完璧です」

「そうか、かすみに今すぐ電話するからと伝えてくれ」

「かしこまりました」

そして、拓真はかすみのスマホに電話をかけ直した。
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