❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
そんな姿を見て、ツトムはかすみを抱きしめられずにはいられなかった。

「かすみさん、かすみさん」

「ツトムくん、私は大丈夫、ありがとう、頑張ってご飯食べるね」

かすみは少しずつ食事を口に運んだ。

その時、かすみのスマホが鳴った。

「はい」

「かすみ、大丈夫か」

それは東京にいる拓真だった。

「拓真さん、私は大丈夫です」

声に力がなく、まるで今にも消えそうな蝋燭の炎のように感じた。

台風が停滞してから一週間が過ぎ去ろうとしていた。

拓真はスマホを切って、ツトムに掛け直した。

「かすみの様子はどうだ、声が弱々しいと感じたが……」

「頑張って食事を召し上がっていますが、日に日に弱っています、組長早く戻ってあげてください、俺、見てられなくて……」

「すまない」

それから、台風は急に速度を上げて、過ぎ去っていった。

拓真は急いでヘリを飛ばし、かすみの元へ急いだ。

ドアをバタンと開けてかすみの元に駆け寄った。

「かすみ、かすみ」

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