❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「かすみさん、水も飲み込む力がなくて」

拓真は水を自分の口に含み、かすみに口移しで喉を潤した。

「かすみ、今、村上先生が後からくるからな、頑張れ」

拓真は手をギュッと握って、声をかけた。

かすみは何か言いたい感じだったが、はっきり聞き取れない。

拓真は神に祈った。

あと、十日、俺が側にいてあげられなかった分だけでも、もたせてくれ。

村上先生が到着すると、すぐに点滴を施し、装置をセットした。

「これで、少しは回復するといいのですが、それでも時間の問題です」

「かすみ、かすみ」

かすみは苦しそうな呼吸は落ち着きを見せはじめた。

かすみはずっと目を閉じたままだった。

かすみ、俺がいない間、頑張ってくれたんだな。

嬉しいよ、お前はいつでも俺を一番に考えてくれた。
目を開けてくれ、俺はお前にもっと愛を囁きたいんだ、かすみ。
それからしばらくして、かすみは意識が回復した。

「かすみ、かすみ」

「拓真さん、お帰りなさい」

「ただいま」

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