❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
処置が終わり、大館は入院することになった。

新堂組にも連絡が入り、拓真とツトムが病院へ急いだ。

「ユリエ、大丈夫か」

「パパ」

ユリエは拓真に抱きついてワンワン泣いた。

「大館が、大館が、私のせいで、どうしよう」

「大丈夫だ、あいつは強靭な肉体と凄まじい精神力を兼ね備えた男だ、こんなことで命を落としたりしない」

大館はナイフの傷は浅かったので致命傷になることはなかった。

病室へ向かうと、大館は拓真に頭を下げた。

「組長、申し訳ありません、お嬢に怖い思いをさせてしまって」

「いや、一人で行動したユリエが悪いんだ、謝らなければいけないのは俺の方だ」

「組長、お嬢とお友達の方は大丈夫ですか」

「ツトムがユリエの友達を送って行った」

そこへユリエが病室に入ってきた。

そして、大館のベッドに走り寄った。

「大館、ごめんなさい、ごめんなさい」

「お嬢、自分は大丈夫です、お嬢に怖い思いをさせてしまい申し訳ありません」

ユリエは大館にしっかりしがみついて離れなかった。
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