❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
人生共に過ごせる相手を選ばなくてはいけません」

「大館とだって人生共に過ごせるじゃない」

大館は困惑していた、確かにお嬢の言う通りかもしれない。

でも組長は真っ当な人生をお嬢には歩んで欲しいと言っていた。

自分との人生は極道の世界で生きる道で、しかも子供は望めない。

大館は無精子症なのだ、つまりこの世に子供は残せない。

だからずっと独身を貫き通していた。

ユリエが生まれた時、自分は生涯ユリエを守っていくと決心した。

でもまさか、女としてこんなにも愛してしまうなど、予想しなかったのだ。

大館は真実を話す。

「お嬢、俺はこの世に自分の子供を残せません」

「どう言うこと?」

「俺は無精子症なんです、つまり精子がないので、子供は作れません」

「だから?」

「だから、お嬢とは結婚出来ません」

「どうして?」

大館はユリエの言葉に困惑していた。

お嬢は何を考えているんだ。

「二人で生きていけばいいことでしょ、子供のいない夫婦なんてこの世の中にいっぱいいるよ」

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