❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
拓真は頷いた。

「あいつは全く結婚の意思が無かった、初めはかすみに惚れているんだと、嫉妬もした、でも奴が病院へ行ったところに、たまたま出くわして、事情を話してくれた」

「そうだったの」

「お前はそれでも大丈夫なのか」

「大丈夫よ」

「そうか」

「ごめんね、孫を抱かせてあげられなくて……」

「いや、俺はお前を授かっただけでも、奇跡だと思ってる」

「パパ」

ユリエは「またくるね」とその場を後にした。

拓真は仏壇の前でかすみに声をかけた。

「かすみ、もういいだろう、お前の側に行きたい」

「拓真さん、拓真さん」

拓真が振り返ると、かすみが立っていた。

「かすみ、迎えに来てくれたのか」

「お疲れ様、今までありがとう、拓真さんのおかげで、ユリエを授かることが出来たから
すごく嬉しいです」

「そうか」

かすみは拓真の頬に触れた。

「かすみ、かすみの手の温もりを感じるよ」

拓真はかすみを引き寄せ抱きしめた。

そっと唇を重ねた。

「かすみ、愛しているよ」

< 175 / 176 >

この作品をシェア

pagetop