❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「いいか、ユリエ、キャバクラでもあいつを相手にするな、いいな」

そして、健斗さんが店にやってきた。

「いらっしゃいませ、健斗さん」

健斗さんは、すぐに私の手を引き寄せ、自分の隣に座らせた。

「ユリエ、個室に行こう」

「ごめんなさい、これから山名部長さんと個室指名なんです」

「はあ?」

「今日は他の子を指名してください」

私は健斗さんから離れて、その場を後にした。

「おい、待て、ユリエ」

健斗さんの声に後ろ髪を引かれる思いがした。

ごめんなさい、健斗さん。

私は個室で待っている山名部長の元に向かった。

「若頭、お待ちください」

「ユリエがあのエロ親父に……待てるか」

「ここはキャバクラです、ユリエさんはキャバ嬢です、抑えてください」

「抑えられるか」

俺は個室へ向かった。

その俺の目の前にママが立ち塞がった。

「いくら健斗さんでも、これ以上は入れません、お席にお戻りください」

「好きな女が他の男に抱かれるのを指をくわえて待てと言うのか」

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