❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「ユリエに飯食わせてやってくれ」

「はいはい」

私と健斗さんは座敷に通された。

「このお店も新堂組管轄ですか」

「いや、ここは違う」

「そうですか」

しばらくして、料理が運ばれてきた。

健斗さんはお酒を飲みはじめた。

隣でお酌をする理恵さん。

もしかして、理恵さんが彼女さんかな。

「おい、ユリエも飲めよ、今日は帰る場所が一緒だから、いいよな」

「あら、お二人は一緒に住んでいるのかしら」

「ああ……」

健斗さんがそこまで言いかけて、私は言葉を遮った。

「違います」

健斗さんはジロっと私を睨んだ。

「なあに、健斗さん、振られちゃったわね」

理恵さんの言葉に私はどうしていいかわからなかった。

「振られてねえよ、こいつは俺の言うことを信じてくれないだけだ」

「はい、はい、わかりました」

健斗さんは不機嫌な顔で私を見つめる。

しばらく料理を頂いて、健斗さんのお酒も進むと、

「若頭、そろそろ引き上げましょう」

大館さんが助け船を出してくれた。

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