❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
健斗さんはそれから一言も口をきいてくれなかった。

車の中ではずっと無言だった。

でもしっかり私の手を握ってくれていた。

マンションにつくと、大館さんは「明日、お迎えにあがります」そう言って

マンションを後にした。

部屋に入ると、私はコップにミネラルウオーターを濯いだ。

「健斗さん、お水です」

健斗さんはお酒が強い方ではない。

キャバクラでも、ほとんど飲まない。

ソファーに腰をかけて、私の差し出したミネラルウオーターを一気に飲み干した。

「大丈夫ですか」

健斗さんはじっと私を見つめた。

「ユリエ、いや、かすみ、俺と結婚してくれ」

心臓がドキドキ言ってる。

嬉しい、嬉しい言葉だけど、私は結婚は出来ない。

それに今はお酒を飲んで、気持ちがハイになってるからに決まってる。

本気じゃない。

「健斗さん、そのお話はまた今度にしましょう」

「どうしてだよ」

「明日、目が覚めたら忘れちゃってるかもしれないし」

「忘れねえよ、かすみは俺が嫌いなのか」

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