❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
どうしてそんなに強く抱き締めるの?

どうしてそんなに辛い表情を見せるの?

社長の気持ちはわからなかった。

社長は私の頬を挟んでキスをした。

「かすみ、かすみ」

社長の口から溜息混じりの声が囁かれた。

そこにドアがノックされた。

「はい」

社長が返事をすると、相手は大館さんだった。

私は慌てて社長から離れて背中を向けた。

大館さんに泣いている顔は見られたくなかった。

「社長、今一度申し上げます、あなたはこれから新堂組を背負っていくお方です、
そしてこの春日部コーポレーションも、勝手な行動は絶対になさらないでください、
一人で動くなどもってのほかです」

社長は黙っていた。

「花園さんは弊社の社員で、社長の秘書です、社長の所有物ではありません、
そしてユリエさんは新堂組管轄のキャバクラのキャバ嬢です、お店以外は控えてください」

「大館、お前の言ってることは理解出来ねえ」

「でははっきり申し上げます、花園さんとプライベートでのお付き合いは
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