❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
社長は私に近づいてきた。

「ユリエ」

「会社ではその呼び方はやめてください」

「じゃあ、かすみ」

「あのう」

「なんだよ」

「花園って呼び捨ての方がよろしいかと」

「いいよ、かすみで」

そう言って、社長は私を抱き寄せた。

「会社では困ります、お店だけにしてください」

「分かった」

社長は私から離れた。

「今日の予定ですが……」

「全部キャンセルしてくれ」

「はい?」

「社長命令、分かったか」

「かしこまりました」

「かすみ、これから出かける、付き合え」

「はい」

社長は駐車場に停めてある自分の車を発進させた。

「これからどちらへ」

「食事」

「あのう、今日店があるので、時間には返してください」

「今日は休むと連絡済みだ」

「はい?」

「今夜俺のマンションに泊まれ、いいな」

「それは出来ません」

「どうしてだ」

私は理由が見つからず、答えることが出来なかった。

「そうだ、もう俺のマンションに引っ越してこいよ」

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