❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「仰ってる意味がわかりません」

「だから、俺のそばにずっといろ」

もう、訳がわかんない。

「あのう、社長の本名は春日部拓真さんですよね」

「ああ、そうだ」

「新堂健斗は新堂組の若頭ですよね、雇われてるんですか」

「新堂組長は俺の親父、春日部元社長も俺の親父、つまり、
同一人物ってことだ」

「嘘、それじゃ、春日部コーポレーションは新堂組の表の家業ってことですか」

「ああ、その通り」

「知りませんでした」

車は停まり、目的地についたようだった。

「さ、食おうぜ」

「あのう、どなたかお客様がお見えになるのでしょうか」

「誰も来ねえよ、俺とかすみだけだ」

えっ、二人で食事するためにわざわざここにきたの?

まっ、いいか、お腹も空いてるし。

俺は春日部拓真、春日部コーポレーション社長だ、でもこれは表向きの顔、

そして裏社会では新堂組若頭新堂健斗。

花園かすみ、いやキャバ嬢ユリエと出会ったのは、新堂組が管轄するキャバクラだった。

ユリエは控えめで、怯えていた。

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