❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
拓真は一枚の紙をかすみの前に広げた。

それは拓真のサイン済みの婚姻届だった。

「これは……やっぱり、梨花さんと結婚するんですね」

「何言ってるんだ、ここにサインするのはかすみだ」

かすみはびっくりした表情を見せた。

「私ですか」


「かすみ、俺ははじめから結婚しようって愛を伝えてきた、多分、
かすみは子供が生めないからと気にしているようだが、俺は子供に強い
執着はない、確かに春日部コーポレーションや新堂組のことを考えると、
俺の血を引いた子供はいた方がいいが、そのためにかすみを諦めるのなら、
俺は子供はいらない」

「でも、もしかして人生を共にずっと一緒に生きることが出来ないかも知れません」

かすみは涙が溢れて止まらなかった。

「それを言うなら、俺はいつも死と隣り合わせに生きている、俺の方こそ、
かすみより先にあの世に行ってしまうかもしれない」

「そんなの嫌です」

「俺だって嫌だよ、だから少しでも一緒にいられる時間を大切にしたいんだ」

拓真はかすみを抱きしめた。

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