❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
第九章 かすみの決意
だから、本郷くんと別れた。

拓真さんとも同じはずだった。

それなのに、拓真さんが狙撃されて、生死を彷徨っている現状を目の当たりにして、

こんな思いを何度もしなければいけないなんて、一緒にいられないなんて思わなかった。

だからこそ一分一秒でも一緒にいたいって思った。

拓真さんも同じ思いなんだと、いつ癌が再発するかもしれない状況なら、

一分一秒でも一緒にいたいって思ってくれているんだと……

拓真さんの思いに甘えて、婚姻届にサインした。

春日部かすみになった。

でも、この選択は本当にあっていたのだろうか。

私の死を目の当たりにして、拓真さんは生きていけるの?

かすみは拓真の知らないところで最後を迎えることに気持ちが傾いていた。

拓真はかすみの病室から離れることはなかった。

「拓真さん、お仕事に行ってください」

「かすみの側にずっといたい」

「拓真さん、あなたは春日部コーポレーション社長で、新堂組組長です、
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