❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
でも本郷の前では、辛さをわかってもらえると言う安心感からか、涙が頬を伝わった。

本郷はかすみを抱きしめた。

頑張っていた気持ちがふっと緩み、かすみは本郷の胸でワンワン泣いた。

そんな様子を少し開いていた病室のドアの外で拓真は見ていた。

頑張って、無理をしているかすみのことは、わかっていた。

もっと甘えて欲しいと感じていた拓真は、その思いが他の男性に向けられていることに、

嫉妬の炎が燃え上がっていた。

かすみ、なんで俺じゃダメなんだ。

俺はお前にとってなんなんだ。

拓真はかすみの病室を面会謝絶にした。

かすみは俺だけのものだ。

ある日、看護師さんが本郷が見舞いに来たのだが、拓真の意向で面会謝絶になっているから、

またくるとの伝言を伝えてくれた。

「面会謝絶ですか」

「ご主人様からの意向だそうですよ、ゆっくり休んで貰いたいとのことらしいです、
優しいご主人様ですね」

「そうですか」

「それで、本郷様が見えたんですが、また来ますって伝えてくださいとのことです」
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