❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「ありがとうございます」
かすみはある事を思い出していた。
他の男の名前を口にした時、拓真を怒らせた事を……
その時、大館は拓真が嫉妬したんだと指摘した。
まさか、この間、気が緩んで本郷の胸で泣いたのを見られたのではないか。
かすみは拓真に迷惑をかけないように、頑張っているのだが、それが拓真にとって、
気に入らなかったって事だったのか。
かすみは甘えるのが下手なのだ。
もっと甘えていいのかな。
かすみは様子をみることにした。
次の日、拓真が病室にやってきた。
「拓真さん」
「かすみ、大丈夫か」
「はい、大丈夫です」
すると拓真の顔色が変わった。
「お前は俺の前ではいつでも大丈夫なんだな」
かすみははじめての拓真の反応にちょっとびっくりした。
「他の男の前では、辛いとか寂しいとか言うが、俺はそんな言葉を言われたことなどない、
俺はお前にとってなんだ」
「拓真さん」
「大丈夫ならもう帰る」
そう言って、拓真は病室を後にした。