エクササイズ
「パパっ、お帰り。」
「お父さん、お帰り。」
「父さん、お帰りなさい。」
「うん。佐波 ( さわ ) は?」
と、言う言葉に
三人は、ニヤリと笑いながら
「「「ママっ」」」
と、呼ぶと
キッチンから手を拭きながら
「あらっ、ごめんなさい。
お帰りなさい。あなた。」
「うん。ただいま。
佐波、今年もありがとう。」
と、花束を差し出す彼から
「ありがとう。
潮理 ( しおり ) 」
と、花束を受け取り
匂いを確認して見つめると
ギュッとそんな私を抱き締め
「愛してる。」
と、囁く潮理に
「私も。」
と、照れながら伝える。
彼も言葉にして
言って欲しいと思っているだろうが
彼は、私の唇にキスをすると
手を洗い着替えてダイニングに
現れる。
それからが我が家の
クリスマスイブが始まる。
楽しい会話
たくさん食べて
今年は子供達とケーキを作った。
チョコ派と生クリーム派が
分かれたから
でもどちらも美味しかった。
子供達のプレゼント入れには
各々のプレゼントが入っている。
サンタクロースからの
プレゼントなんて
長男長女は、わかっていてくれて
参加してくれていた。
末娘に合わせてくれる
本当に優しい子供達。
彼が子供達のプレゼントを
準備しているときに
私は、彼から貰った花束の
カードを保管する。
もう何十枚にもなるカード
どれも、同じ物はない。
無論他人から私の手元に
届いた事もない。
必ず、クリスマスイブに
彼から渡される。
昔、海外の出張がクリスマスイブに
重なり彼は慌てた。
強行に一度日本へ戻り
私に花束を、渡してから
出張先へと戻ったらしい。
彼の姿が消えて
周りが探し回って
大変だったらしい。