ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~
翌朝、ぎこちない動きしか出来ない体に鞭を打ち、文はきちんと出社をした。

(まさか、筋肉痛になるとは……)

吾妻も七生も居ない。秘書としては三宅が同行している。文はマイペースに事務仕事を進めるのみで気が楽だ。

海外出張は難しいのだろう。
英語もままならないし、まだまだ役不足なのは百も承知しているのだが、選ばれなかったことに悔しさもある。

まだ、なにがあったのか詳しく教えて貰えていないが、FUYOUに一大事があったに違いない。
副社長秘書なのに、自分には情報を得られていない事に落胆した。

気落ちする原因は、仕事以外にもあった。

(わたしがもっと仕事が出来れば、一緒に行けたかもしれないのに)

プライベート以外でも、七生に会いたいと思っていることに気がつく。
仕事中に会うなんてもっての外、同じ部屋にいるだけであれほど緊張していたのに、すごい変化だ。
落ち込んでも仕方が無い。

(みんなが居ないうちに、調べ物もしておこう)

情報整理をできる貴重な時間だ。とにかく仕事をに集中することにした。

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