ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~

日々、出廷の気分です。


七生に全身コーディネートしてもらったスーツは、意外にも文にしっくりきた。
秘書だから当たり前かもしれないが、シックで好みだった。

四店舗を梯子し、何十回も着替えさせられてかなり疲弊したが、動きやすくおしゃれな服を見繕ってくれた。

後日、文が買うと認識していない商品まで自宅に次々と届く。
試着している隙に、七生がいつのまにか買っていたらしい。

それは、一カ月毎日違うスタイルで出社できるほどの量で、おかげで自宅のクローゼットは許容範囲を超えて服が溢れた。
外置きできるハンガーを買う羽目になり、部屋が三畳ほど狭くなった。

シンデレラのような扱いをあけても、文がドラマディックに変身するわけではない。

『誰かわからなかった』『すごく綺麗』のような賛辞は当たり前になく、

「おお、見れるようになったな」

というのが吾妻の感想だった。

しかし、パンプスやバッグ、アクセサリーまでは理解できるが、下着が届いたのはなぜなのか。

試着の時に全身サイズを測られておかしいとは思っていたが、これはセクハラの域に入るのではないかと思う。
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