ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~
「ごめんなさ……」
謝ろうとしたら、口を塞がれる。
「謝るのは禁止! 文が悪いわけじゃない。文はもっと素直になって俺に甘えればいいの」
頼らなかったことを拗ねているらしく、しかめ面のまま抱きついてきた。
「あいつは法の力でねじ伏せてやる。早く忘れてしまえ」
「取引は大丈夫でしょうか……」
「大山専務は常識的な人だから大丈夫だろ。息子は自白までしてるんだ。何も言い返せないさ。その辺は吾妻がうまくやるよ」
「自白?」
「…… “ちょっと触ったぐらいで”。ーーーー 馬鹿なやつだ」
そういえば、そんなような事を言っていた気がする。
言質を逃さないのはさすがだ。
「ふふ、そうですね」
思わず笑みがこぼれる。七生がついていてくれれば大丈夫なのだろう。
「やっと笑った」
七生も目尻を垂らした。
仕事中はあんなにすましているのに、ふたりになった途端、優しいなんて反則だ。
ちょっと強引で意地悪なときもあるし、ギャップがありすぎて困る。
文は七生の胸に額を寄せた。
「文は俺は嫌ではない?」
「七生さんが? どうして?」
婚約者が嫌な筈はない。
「だって君は、俺をまだ好きじゃないから」
記憶の事を言っているのだと思った。
なんで思い出せないんだろう。
謝ろうとしたら、口を塞がれる。
「謝るのは禁止! 文が悪いわけじゃない。文はもっと素直になって俺に甘えればいいの」
頼らなかったことを拗ねているらしく、しかめ面のまま抱きついてきた。
「あいつは法の力でねじ伏せてやる。早く忘れてしまえ」
「取引は大丈夫でしょうか……」
「大山専務は常識的な人だから大丈夫だろ。息子は自白までしてるんだ。何も言い返せないさ。その辺は吾妻がうまくやるよ」
「自白?」
「…… “ちょっと触ったぐらいで”。ーーーー 馬鹿なやつだ」
そういえば、そんなような事を言っていた気がする。
言質を逃さないのはさすがだ。
「ふふ、そうですね」
思わず笑みがこぼれる。七生がついていてくれれば大丈夫なのだろう。
「やっと笑った」
七生も目尻を垂らした。
仕事中はあんなにすましているのに、ふたりになった途端、優しいなんて反則だ。
ちょっと強引で意地悪なときもあるし、ギャップがありすぎて困る。
文は七生の胸に額を寄せた。
「文は俺は嫌ではない?」
「七生さんが? どうして?」
婚約者が嫌な筈はない。
「だって君は、俺をまだ好きじゃないから」
記憶の事を言っているのだと思った。
なんで思い出せないんだろう。