ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~
耳朶を揉まれ、首筋に吐息がかかる。
あっと言う間に甘美な感覚に支配された。
嫌じゃない。怖くもない。
ただ恥ずかしいだけで、もっとこの人と触れあいたいとさえ思う。
だって、七生はいつも優しくて、これまでも、触れあう時間はいつも幸せだと思えたから。
七生は文の反応を見て嬉しそうにした。
「たぶんじゃなくて、好きで仕方が無いって言わせてみせるよ。確固たる愛を勝ち取るのが俺の作戦だから」
(作戦?)
言葉の端々が気になるのに、ちゃんと考えられない。
熱を持った手に全身を弄られ、柔らかい唇の感触に息を喘がせた。
「ずっと、文だけを好きだったよ。初めて会った時から、面白くて可愛くて……逃げるから、余計に欲しくなった」
耳の奥に、何度も吹き込まれる告白に脳が蕩けるようだった。
服がはだけて、互いの熱を直に感じた。
触れた場所が、あったかくて気持ちいい。
「白くてふわふわだな」
「あっ……」
お腹をペロリと舐められ、身を捩った。擽ったい。
七生はゆっくりゆっくりと緊張をほぐした。
「……っは、あ……」
自分ではないような上擦った声が恥ずかしい。
何もかもが初めてで、服は自分で脱ぐべきなのかとか、ソファでこのまましてしまうのかとか目を回しながら考えた。
情熱的な愛撫に背中が跳ねる。
「ひゃ、んあっ……」
ひときわ大きな声が出てしまい、七生の胸を押す。
「っま、まってくださいっ……」
「だめ。今さら止められないよ」
七生は手を休めない。