ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~
「っちょ、ちょっと……でも、あの、すごく変で」
涙を浮かべながら訴えると、七生は仕方ないとばかりに動きを止めた。
「痛い?」
「違うんです。なんか、ドーパミン出過ぎて……おかしいです」
「ドーパミン?」
思いもよらなかった内容に、七生はとうとう体を起こす。
「知りませんか? 脳内の中枢神経に存在する神経伝達物質で興奮や快楽の時に……」
息も切れ切れに説明した。
涙がにじみ、自分を見下ろす七生が揺れている。
「そんなことは知っているよ。ええと、要約すると “気持ち良くてどうにかなっちゃいそう” であってる?」
はっきりと言われ、文は耳まで真っ赤にした。
「っそ、そういうことは言葉を伏せて会話をすべきではっ……」
「常日頃、言葉で戦っている節があってね。曖昧な表現は嫌いなんだ」
喜んだ七生は行為を再開させる。
「あ、だ、めっ……」
仰け反らした喉に七生は食らいつく。
「駄目禁止。それも可愛いんだけどね。 “もっと” ってお願いしてごらん」
「もっと……?」
「そう。俺に委ねて。たくさん愛してあげる」
ちょっと強引。瞳は獣。でも触れる手からは愛情を感じる。
七生の熱は、気持ち良かった。
ずっと触れていたいと思った。
与え続けられる快感に、文はひたすら胸を喘がせた。