ドS弁護士は甘い罠を張る。~病院で目覚めたら危険な男の婚約者になってました~
吾妻も通常なら今日は休みだ。
動かなくてはならないトラブルのようで、七生は諦めて大きな溜め息をついた。
余韻にひたるくらいの時間は欲しい。
なにせ昨夜は、やっと文との距離を縮められたのだから。
『大山商事の息子が暴走してる。資材の輸入で嫌がらせしてきやがった』
「あいつが?」
刑事告訴をしないという条件を武器に、商談を有利にさせた。
しかし無理は言っていない。
文が商談材料になるなんて到底許せるものではなかったが、大山の真摯な謝罪を袖にするわけにはいかない。
私怨を堪え、ビジネスとして恩を売るべき場面であった。
賢の過去の悪行もすべて掘り起こしレポートのようにまとめ書類を突きつけた。
二度と悪さをしない。文に近づかない。FUYOUとの取引には関わらないとの条件が記され、七生自信も、大山商事からの依頼は二度と受けないと告げてある。
破ったら即刑事告訴という念書も書かせ、金庫に保管をした。
それがどうしたことか。
大山がプライドを捨てて床に頭を擦り付けたことを、早々と不意にしてしまったわけだ。
「具体的には?」
『二重契約だな。FUYOUの仕入れ分を他会社に売りつけてる。このままのペースだと原料不足で工場をストップさせなくちゃだ』
「……それはどこの会社だ?」
嫌な予感がした。
動かなくてはならないトラブルのようで、七生は諦めて大きな溜め息をついた。
余韻にひたるくらいの時間は欲しい。
なにせ昨夜は、やっと文との距離を縮められたのだから。
『大山商事の息子が暴走してる。資材の輸入で嫌がらせしてきやがった』
「あいつが?」
刑事告訴をしないという条件を武器に、商談を有利にさせた。
しかし無理は言っていない。
文が商談材料になるなんて到底許せるものではなかったが、大山の真摯な謝罪を袖にするわけにはいかない。
私怨を堪え、ビジネスとして恩を売るべき場面であった。
賢の過去の悪行もすべて掘り起こしレポートのようにまとめ書類を突きつけた。
二度と悪さをしない。文に近づかない。FUYOUとの取引には関わらないとの条件が記され、七生自信も、大山商事からの依頼は二度と受けないと告げてある。
破ったら即刑事告訴という念書も書かせ、金庫に保管をした。
それがどうしたことか。
大山がプライドを捨てて床に頭を擦り付けたことを、早々と不意にしてしまったわけだ。
「具体的には?」
『二重契約だな。FUYOUの仕入れ分を他会社に売りつけてる。このままのペースだと原料不足で工場をストップさせなくちゃだ』
「……それはどこの会社だ?」
嫌な予感がした。