夢見吉示録
 この夢を見た翌日か翌々日くらいに、驚くべきことが起こった。
 今年のうちで一番驚いたことである。 大学からの帰り、家の近くの交差点で信号を待とうとコンビニの前に立った時。
 そこには先客がいたが、その人がとてつもなく上原に似ていたのである。
 あの、野球部主将だった上原である。
 (遂に私もおかしくなったかしら)
 私は未だ上原を好きなせいで自分の脳かあるいは目がおかしくなってしまったのだと思った。
 いつか再会できたらと思っていた。きっとそれはロマンチックなものになるだろうと思ったが、どうやら現実では何よりも最初に自分の頭がおかしくなったかと自問するところからその「再会」が始まるらしい。
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