【可愛がってあげたい、強がりなきみを】番外編「ゴージャスハネムーン・イン・ニューヨーク」
 今回のテレビ撮影のために染めた、渋めのブラウンの髪が日に透けて、いい感じ。

 サングラスをかけているのも、いつもと違って新鮮。

 それがまた、めちゃくちゃ似合っているのだけど、余計にスター感が増していて……
 顔を隠すという意味では、逆効果な気がしないでもない。

 その証拠にすれ違った日本人が、皆、あれっという表情になる。

 でも、宗介が「話しかけるなオーラ」を発しているのにも気づくようで、声をかけてくる人はいなかった。

「寒い?」
 当の宗介は人目があろうが無かろうがお構いなしに、わたしを背後から抱きしめる。

 2年経つというのに、彼は出会ったころとまったく変わらず、いつもこんなふうにわたしを甘やかす。

 日本演劇新人賞の受賞式で「妻がいる」と爆弾発言をしてくれたおかげで、パパラッチの眼を気にしなくて良くなったけれど。
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