【可愛がってあげたい、強がりなきみを】番外編「ゴージャスハネムーン・イン・ニューヨーク」
 さらに他の店でそのドレスに合わせた、靴とバッグ、そして本当にティファニーに行って、ゴールドにダイアがあしらわれたピアスとネックレスも買ってくれた。

「もっと、ねだればいいのに」と宗介は言うけれど……
 
 いやいや、もう充分すぎて、わたしの許容範囲を完全にオーバーしている。

 夢の中の出来事のようなショッピングを終え、五番街の老舗ホテルに宿泊していたので、ぶらぶらと歩いて戻った。

 途中、少し遠回りして、毎年クリスマスシーズンになるとニュースに登場するロックフェラーセンターのツリーも見に行った。

 ショッピングももちろん、天に昇るような心地だったけれど、この何気ない散歩がとにかく嬉しい。
 
 宗介と腕を組んで人通りの多い道を歩けるなんて!
 
 いくら夫婦と公表済みでも、さすがに日本では無理だから。

「郁美、楽しそうだね」
 宗介に言われ「だって宗介と腕を組んで歩くなんて、初めてだから」と答えたら、今度は肩に手を回され、軽い口づけが降ってきた。
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