【可愛がってあげたい、強がりなきみを】番外編「ゴージャスハネムーン・イン・ニューヨーク」

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 ホテルの部屋はジュニアスイート。

 老舗だけあって、内装はシックでクラシカル。
 カーテンやカーペットはブロンズ色、天井にはシャンデリア、マホガニー材の調度。光沢のある織物を用いた椅子やソファー。

 どれをとっても高級感があり、ラグジュアリーホテルの名に恥じない。

「はー、買い物は結構疲れるな」

 そう言ってソファーに腰を下ろした宗介。「おいで」と言って、自分の隣をポンポンと叩く。

 わたしが素直に横に座ると、彼はソファーの背に肘をついて頭を預け、じっとわたしの顔を見つめる。

「どうしたの?」
「ん? 郁美といる幸せをしみじみ感じてる」
「宗……」

 それから空いてるほうの手をわたしの頬に滑らせながら、顔を寄せ、軽く口づけてくる。

「こうして、ずっとふたりきりでいられたらいいんだけどな」

「もちろんわたしも一緒にいたい。でも宗介は万人を虜にする魅力の持ち主だから。ひとり占めできないことも、よくわかってる」
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