【可愛がってあげたい、強がりなきみを】番外編「ゴージャスハネムーン・イン・ニューヨーク」
「物分かりが良すぎるんだよな、郁美は。ありがたいけど、もう少し我儘言ってくれてもいいんだけど」

「だって、宗介のパートナーというだけで、もう充分、幸せだから」

 宗介はふっと微笑み、それから横になってわたしの脚に頭をのせた。

「じゃあ、夫の特権を行使して、遠慮なく膝枕させてもらうよ、奥さん」

「こんなことなら、いくらでも」

 心から安心しきった表情で見上げる彼の優しい眼差しに吸い寄せられるように、わたしは身をかがめて、彼の魅力的な唇に自分の唇を重ねた。

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