【本編完結】誕生日に捨てられた記憶喪失の伯爵令嬢は、辺境を守る騎士に拾われて最高の幸せを手に入れる
次第に森を抜けて市街地が見え始めると、リーズの見覚えのある場所に出てきた。
「これって……」
「そう、見覚えあるでしょ」
ニコラには記憶が戻ったことを話していた。
自分が育った街、見覚えのある道、全ては懐かしく思える。
そしてフルーリー伯爵邸の前に着くと、ニコラは馬を降りてリーズに向かって手を広げる。
「さあ、飛び込んできて大丈夫だよ」
「本当?」
「うん、必ず受け止めるから」
「わかった」
リーズは思い切ってニコラの胸に飛び込むと、がっしりとした身体に抱き留められる。
そして目の前にある家に目を向けた。
「ここ……」
「そう、君の昔の家だよ」
そう言ってニコラはリーズの手を引くと、そのまま玄関のドアをコンコンと叩く。
少しの後、そっと扉が開き、待っていたかのようにブレスが顔を見せた。
「お兄様っ!!」
「リーズっ!! ようやく会えたね、元気にしてたかい? ニコラにいじめられてなかったかい?」
「おい、俺が悪いやつみたいじゃないか」
「現にお前は信用ならない」
「あのな……」
「これって……」
「そう、見覚えあるでしょ」
ニコラには記憶が戻ったことを話していた。
自分が育った街、見覚えのある道、全ては懐かしく思える。
そしてフルーリー伯爵邸の前に着くと、ニコラは馬を降りてリーズに向かって手を広げる。
「さあ、飛び込んできて大丈夫だよ」
「本当?」
「うん、必ず受け止めるから」
「わかった」
リーズは思い切ってニコラの胸に飛び込むと、がっしりとした身体に抱き留められる。
そして目の前にある家に目を向けた。
「ここ……」
「そう、君の昔の家だよ」
そう言ってニコラはリーズの手を引くと、そのまま玄関のドアをコンコンと叩く。
少しの後、そっと扉が開き、待っていたかのようにブレスが顔を見せた。
「お兄様っ!!」
「リーズっ!! ようやく会えたね、元気にしてたかい? ニコラにいじめられてなかったかい?」
「おい、俺が悪いやつみたいじゃないか」
「現にお前は信用ならない」
「あのな……」