俺と僕 人間と人狼

13 少年



あ〜あつまんないの〜


今日も人間の街に降りたけどお肉屋さん休みだった



しばらく歩いていると、広い道に出た


昨日怒られたしそろそろ帰ろうかな


ポツ  ポツポツ


あ、雨だ!!


うわぁぁぁぁ雨は一番嫌いダァぁぁぁあ!!!!!


僕は雨宿りできそうな場所を探して走り回った


そして道の反対側にちっちゃいバス停を見つけた


あそこで雨宿りしよう!!


僕は勢いよく道へと飛び出した


その瞬間僕は光に包まれて


気づくと地面に寝そべっていた


早くバス停に行かないとと思い立ちあがろうとするが、足に力が入らない


次第に激しい痛みを感じた


痛い 痛い 痛い   寒い 寒い 寒い


すぐ横を車が通った


あぁ僕車に跳ねられたんだ


このまま死ぬのかな


雨が止んだ、いや僕の周りだけ雨が降っていなかった


目を凝らすと中学生ぐらいの少年が、僕に傘をさしていた


「母さん犬いたー」


僕は犬じゃない、オオカミだ


ヴゥゥゥ


僕は威嚇をした


「うわー血出てんじゃん、痛いか?」


少年は僕の頭をそっと撫でた


その手はとても暖かかった














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