俺と僕 人間と人狼
15 ルール
家に帰ると群れみんなが集まっていた
「ロウ、なにをしていた」
群れの中央から父さんが出てきた
「どこにいっていた!」
「人間……の街」
周りのオオカミたちが騒ぎ始めた
「人間の街ですって!?」
「何を考えているんだ!?」
「それでその有様か」
父さんは僕の怪我をした足を見て呆れていた
僕は下を向くことしかできなかった
「お前は今日から外出禁止だ、早くかえりなさい」
群れのルールを破ったんだそれぐらい当たり前のことだった
僕は洞穴の一番奥で眠りについた
それからは周りの目が痛かった
話し声が聞こえてきたり、笑い声が聞こえてきたりすると
僕のことを話してるんじゃないかとか、僕のことを笑っているんじゃないかとか
色々考えるうちに、寂しく、悲しくなっていった
ガサ
出口の方で音がした
顔を上げるとそこには兄さんがいた