俺と僕 人間と人狼
3 不思議な少年
「ーっ!!」
絶対に殴られると思い、目を強く閉じた
しかし殴られる前に聞こえてきたのはうめき声だった
「ゔっ!!」
「誰だ!!」
もう1人が声を上げている
俺は目を開け、周りを見渡すと連中が倒れていた
そしれ中央に1人の男が立っていた
髪も服もボロボロだった
「あの〜?」
俺はそいつに声をかけた
お礼はちゃんと言わなきゃな!
「助けてくれてありがとう、君は怪我してない?」
そいつは少し驚いた顔をした後、戸惑った顔をした
表情がコロコロ変わるのがおかしくて笑ってしまった
「ははっ、面白いな、お前名前は?」
「ぼくは…ロウ」
「ロウか、俺は邪馬井蓮!よろしくな!」
握手をしようと手を差し出した
ロウは俺の手を強く握った
「けが!」
よく見ると手に切り傷があった、押し倒された時に切ったのかもしれない
「いたい?」
心配そうにこちらを見上げる様は、まるで子犬のようだった
「全然大丈夫!てか、ロウの方が怪我酷いだろ!」
アザや切傷が至る所にできており、靴も履いておらず、足からは血が出ていた
「とにかく手当しなきゃだな!俺ん家すぐそこだから、行こうぜ!」