俺と僕 人間と人狼
8 いない
「ロウ〜どこにいるんだ〜?」
朝起きたらロウがどこにもいなかった
昨日まで隣で寝ていたのに
「母さん、ロウ知らない?」
「ロウ君?起きてきてないけど…」
ガチャ
ドアの開く音がした
「ロウ!!」
「ヒッ、れ、れん…?」
ロウは外に行っていたのか?何しに…?
「どこに行って……!」
「ごめんなさい!」
ロウは今までで一番大きい声で謝り、その場に座り込んでしまった
「ロウ…ごめん怒ってないから、こっちおいで」
「おこってない?」
ロウは泣いていた、よく見ると頬に傷があった
俺は急いでロウに駆け寄り、怪我を見る
「怪我!これ…どうしたんだ!」
ロウは頬に触れていた俺の手を払って傷を隠すようにうつむいた
「ころんだ」
それは明らかに転んだ傷なんかではなかった
何かに引っ立たれたように、三本の傷が並行に並んでいた
もし誰かにやられたのなら助けてやりたかった
「とにかく手当しよう」
俺はロウの手をひきリビングへと向かった