あと1㎝。(仮)

prologue

全ての始まりは小学4年生の冬。

登校中に友達に言われた一言
「河野ってぇ、まことのこと好きらしいよ?」

その時、今まで感じたことのない感情が、私の体の中を駆け巡ったことをよく覚えている。
これが”恋”なんだってことは、言わずもがな理解できたと思う。

河野葉月(こうのはづき)”。これが私の好きな人の名前。

好きってことに自覚はあったけれど、アプローチの仕方が分からない。
そうこうしていくうちに、気が付けば小学校を卒業し、中学校へと入学。
何も進展していかないまま、私たちは別々の高校へと道を歩んでいった。

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