英玲奈様は青い瞳に恋してる

「明日……」

「え?英玲奈、何?」

ーーーー明日は、バレンタインデーだ。

ロスに留学している時は、麗夜は、毎年、何だかんだと私と過ごしてくれたが、今年は、どうなんだろうか。

正直言って、麗夜は、モテる。

道を歩いてるだけで、声をかけられるし、毎年、誕生日とバレンタインデーは、本当に数えるのも嫌になる程のチョコレートとプレゼントを貰ってくる。手に持ちきれないから、いつも自宅にトラックで配送してもらう位だ。

歴代彼女の数なんて、50を超えたあたりから、嫌になってきて数えるのをやめた。 

「明日も沢山貰うんだろうね」

嫌味っぽく言ったのを気づいて欲しい。

「あぁ……いつもお返しが大変なんだよね。正直、英玲奈は知ってると思うけど、僕は、チョコレート苦手だから」

麗夜は、やれやれと肩をすくめた。

「麗夜は、明日誰とデートなの?」

緊張で少しだけ声が震えそうになった。

ーーーー明日も麗夜と過ごしたくて。

毎年、サンタクロース顔負けの大量のチョコレート抱えている麗夜の隣で過ごすバレンタインデーが、私は、ここ数年の一番楽しみだった。

誰もが憧れる王子様を独り占めしてる気がして。
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