少女達の青春群像     ~途切れなかった絆~
 舞は高校時代の友人のうち、響歌と歩だけに病気のことを知らせていた。歩は看護師になっていたので病気について相談もしたかったのだろう、響歌よりも先に知らせていた。

 歩も舞の力になりたかった。電話だけではなくて会いに行きたかった。亡くなる前何ヵ月か前、舞がインターネット上に遺書めいたことを書いたものを見つけた時は特にそう思った。

 そう、歩もあの投稿に気づいていたのだ。

 それでもなんてコメントをすればいいのかわからず、すぐには返せなかった。

 そうこうしているうちに投稿が削除されてしまっていた。

 投稿にはコメントができなかったが、高校の友達を誘って見舞いに行こうかとも思った。

 だが、それは実行できなかった。

 歩はその頃、妊娠中でつわりが酷く、満足に動けなかった。上の娘の面倒も見なくてはいけない。その上、コロナで外出も満足にできなくなった。

 舞のことが気になりながらも、最期まで会いに行くことができなかった。

 響歌には『仕方がないじゃない。歩ちゃんは悪くない』と言われたが、やはり悔やんでしまう。

 もっと何かしてあげられることがあったはずなのに。ごめんね、ムッチー。
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